将来のために、今の時間をいかに確保するのか
工場や資産を持たない私たちは、働く人の成長こそが会社の成長につながると信じています。そのために投資する対象は個々人のスキルアップになります。そして、職人であるエンジニアたちにとって腕を磨くのに必要なのは、お金ではなく時間です。
エンジニアにとって技術に対する知見や経験こそが飯のタネになります。いちど身に付けた技術で一生いけるなら安泰ですが、残念ながらIT技術は日進月歩で進むので、常に学び続けていなければ、数年後に食いっぱぐれることになります。その学習やキャッチアップに必要なのは時間なのです。
将来のために、今の時間をいかに確保するのか。この考え方はエンジニアに限らず、これからはあらゆるビジネスパーソンに必要な考え方です。長い人生いつまでも、今のスキルだけで生きていけると思っている人はいないでしょう。
私たちも、もし時間を投資にまわさずに稼ぐ仕事に費やしていたら、今よりも大きな会社になって、社員も高い報酬が得られるかもしれません。しかし、そんな状態を続けると、会社と社員それぞれの未来の可能性を潰してしまいかねません。
今の売上を最大化してしまうと、未来の売上を毀損することになりかねないのです。
こういう考え方を会社の方針とするのは、通常すごく難しいことだと思う。
多くの会社は、「仕事をこなす時間 > 腕を磨く時間」であり、「今の売上」なのだ。
未来の売上のために、個人の学習やキャッチアップが大事だ、などとは言わないのだ。
こういうところは「自己責任」の範疇で。会社で摩耗しないように。
「会社なんだから利潤追求は当たり前」という当たり前なことは常に言われるのだけど、
それだけでは「魅力的な」「ずっと働きたい」会社にはなれないと思うのだ。
製造業だったら、たくさん働いて、コスト抑えて、と、そういう方向の考えもアリだとは思うが、
ソフト屋さんは純粋に人間さまが働いて、それでお金を稼ぐのだ。
動けば動いただけの利益が出るわけではない。
気分や感情や体調で仕事の出来だって違ってくるし、会社に対する思いだってみんな違うし。
....というあたりのことを、管理職な私達が手を打たないとまずいんだろうね。
中間管理職って、こんなに会社を動かすこと考えないとダメなんだっけか、とか思ったり。
となると、やっぱり自分でコントロールできる場所を拡げていくことが、必要なのかもしれないな、と思う。