バッファが必要だということを理解してもらうために
マツダ/パワートレイン開発本部でCCPM導入を推進した 元マツダ/田中義道氏 特別インタビュー
より、以下引用。
Question:
プロジェクトにはバッファが必要だということを理解してもらう為に、どのようなことを行われましたか?
Answer:
貴方は、タスクの安全余裕(=バッファ)を取り、「挑戦」する人をどのように支援しますか。「大丈夫だ!困った時には助ける」ですか。本当の意味で信頼関係ができているならこれで十分かもしれません。しかし、「本当の」は非常に希なことです。ですから具体的な「助け」を明確にすることが重要ですね。それが「バッファ」です。これが確保されているから「挑戦」できるんです。
また、時間を短縮することが最も大切だと考えている人に、「バッファ」という余裕が必須であることを理解してもらうことは難しいことです。バッファは短縮とは全く逆の対応ですから。この考えの始まりはヘンリーフォードの流れラインのスペースの余裕が始まりで、それを大野耐一さんが多品種少量生産に発展させた時にロットに置き換え、ゴールドラット博士が時間に置き換えました。この置き換えによりバッファの考えの適用範囲が大きく広がりました。「バッファ」の効果は百年もの間に証明された考えです。
「早い流れが欲しいならバッファが必要です」、まさに、パラダイムシフトです。
このような話も講習会などの機会に繰り返しました。このパラダイムシフトは本当の話ですから実際にCCPMを使うと理解できます。また本当のトヨタ式を勉強すれば理解できます。
ゴールドラット博士の小論「巨人の肩の上に立って Standing on the Shoulders of Giants」を読むと、ヘンリーフォード、大野耐一、ゴールドラットと続く考えであることが説明されています。一読を勧めます。
バッファのことをこんなに簡単に的確に表現できるなんて、これが CCPM を理解できている人なのだな、と思った。