Some Days You Get the Bear

IT系エンジニアの、日々の気づきや考えたこと。

「can」より「want」

logmi.jp

田中邦裕氏(以下、田中) (中略)そもそも原点に返ってほしいのは、1人でやれるんだったら1人がいいんですよ、絶対に。その原則を曲げないほうがいいと思うんですね。自分で勉強して、自分で全部できたほうがよくて。
 
伊藤 そこが一番ストレスがかからない。
 
田中 ストレスがかからないんです。コミュニケーションのコストがかからないので。そして、もう1つあるのは、100パーセント責任を持てるかどうか。先ほどすばらしいお話をお聞きしたんですけども、5人のチームがいて、CSが1人で、なになにが1人で、全員が「100パーセントお客さまに責任を持っている」と思っているチームってすごく強いんですね。
 
5人いて、100パーセントが5人だったらすごくいいんですけども、だいたい20パーセント×5人になっちゃうんですよね。要は、一人ひとりのコミットメントが下がってしまうのが、チーム化の課題だと私は思っているんです。

奥田  (中略)だけれども、私たちが必ず返す言葉があって、「やりたいことを最初に言ってから自分のことを説明してください」と(笑)。「私は何をやりたい。今、それに対して私はこれだけの力があります」、そして「でも、私にはこういうバックグラウンドがあります」「でも、私はこれだけがないんです」でもいいんですね。「◯◯がたりないです。だから、やりたいことを叶えるためにそれをどうにかしたいんです」という言い方に全部変えさせていくんですよ。

藤本 それで、多くの人は、やりたいことがあっても、やっぱり言い訳もしたいし、人生もあるし。とはいえ「会社でずっと同じことやって同じ上司でイヤだな。なにかを変えたいんだけど」という人は大勢いますよね。シェアリングエコノミーのすばらしさは、そういう人が、大それた起業というような枠組みに飛び込まなくても、自分の持っている何かをネットを介して提供して、それだけで直接知らない人から「ありがとう」を言われること。そのちょっとしたなにかをハードル低く提供できるということと、そこから得られる自信みたいなものが、すごく大きい。

そこには学歴もキャリアも関係なくて、「こんなことできますよ」「やってあげますよ」と言って、それがコマースというかたちですかね。ちょっとしたお金も含めてやりとり上に「ありがとう」が発生する。

藤本  (中略)「can」より「want」のほうを価値として認めるというのは、僕は文化としてはアメリカが一番優れているところだと思っていて。向こうではやり直しも何回も効きますし、40歳で180度のキャリア転換で、新しい職種にゼロからやりなおし転職をしたとしても、誰も「Congratulations」以外言わないという文化がある。
 
伊藤 「大丈夫?」って聞かない。

藤本 聞かないですね。圧倒的に「Congratulations」ですね。その「Congratulations」が何の「Congratulations」かというと、「(今)やりたいことが見つかってよかったね」というだけなんですよね。でも、日本は祝福の前に「大丈夫?」みたいな。

伊藤 「生活大丈夫?」みたいなね。

藤本 「資格持ってるの?」「オファーもらってるの?」「できるの?」「給与水準は上がるの下がるの?」「その会社ってリスクあるのないの?」ということを、親も上司もみんな心配してしまう文化があって。これは早急に変えないと。

起業家文化は芽生えていますけど、一般層を見るとまだ変わっていないので。でも、情報社会が浸透していくと、そういう人の情報がSNSとかでちらつきはじめているので、少しずつ変わっていくとは思うんですけど。それ自体は日々感じます。

プラットフォームはできつつある。
どう「できる」かをまじめに検討してみる時期かもしれない。
そして「どうしたい」かをもっとはっきりさせよう。
できることはたいしたことはないのだから。