Some Days You Get the Bear

IT系エンジニアの、日々の気づきや考えたこと。

これから先のソフト屋の業態とは

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今のSIビジネスは、木村さんがいつも批判している通り、多重下請け構造に乗っかっており、その構造をうまく使って数字を上げている人が偉いといった状況になっているのは確かだ。これではエンジニアたちが浮かばれないのも確か。でも、ユーザー企業のIT部門がそれを求め、富士通がそれで稼いでいるのも事実だ。
(中略)
パートナー企業(下請けITベンダー)の単価の低さを自分たちの利益に転換するという、世界に類の無い変なビジネスモデルではあるが、ITベンダーはリスクを取りさえすれば儲けになる。

IT業界では「SE稼働率」が問題になる。以前ならSEの稼働率は85%ぐらいだったと思うが、今では収益を上げよというプレッシャーから90%を超えている。だけど、90%を超えるような状況では、個々のSEは何のインプット(教育・勉強)もできないから、それぞれの価値はどんどん落ちる。今は、プロジェクトマネジャーなどとしてパートナー企業の上に乗っかっているからよいが、個の価値は下落している。

デジタルフロントでは稼働率の上限を80%にする。残りの20%は自己啓発チーミング(継続的なチームワークの実践)の在り方などを学ぶことに費やしてもらう。それによって個人の価値を上げていく必要がある。ただ、これはかなり厳しい。20%の時間は直接仕事をせずに、顧客から評価されなければならないからだ。

 だけど、そういう形で個々の価値を引き上げて、個人の価値に対して報酬をもらう形にしていかないと、顧客から見放されるとの恐怖感が私にはある。トヨタ自動車が我々の事業所があるJR南武線沿線にエンジニアの求人広告を出したように、今は顧客自身がエンジニアを集め、システム内製化に取り組む時代だからだ。

ビジネスモデルは後で検討する。まずはコンサルティングビジネスとして取り組む。そうしないと、エンジニアたちのモチベーションが上がらない。そのなかで、レベニューシェアといったモデルでやろうといった話が当然起きる。(中略)
レベニューシェアや共同出資といった深い共創は、経営トップ同士の握りでスタートするケースが多い。実は富士通にも以前から、そうした形で共創に取り組んでいる事例がある。ただ2年たっても、まだ何も生まれていなかったりする。今の富士通の課題は、経営トップ同士のリレーションでスタートしても、現場に下りた途端、人月いくらみたいな従来型の提案をしてしまうこと。顧客からすると「共創でやろうと言ったのに何なんだ」ということになる。

 もちろん、これは現場の問題ではなく、事業体制の問題。そこで今後は、そうした案件は全てデジタルフロントで受け取ってプロジェクトをスタートさせる。デジタルフロントなら数年間赤字でもやれる。

さて、大手さんがSIをやめていこうというわけで、
それにぶら下がっている小さなソフト屋は、ますます生き残りが大変な世の中になりそうだ。

いっそのこと、個人でやったほうが、身軽でコストかからなくていいのでは?
ただ、お客さんのほうがまだまだフリーランスを使いたがらないので、
それもまた難しいか。

そのうちに、ネットに経歴書を上げておいて、
ほしいときにほしいだけを調達する、なんてしくみが普通になるのかもしれない。
ランサーズとかはまだまだ本流になれてなくて、
まあ言ってみれば個人のひとが「ネット通販だったら安く売ってるところもあるのでは?」
みたいのとあまり変わらない感じに見える。

bizzine.jp
AIうんぬんだけでなく、こんなふうにつくるもの自体が大きく変わってしまうこの先、
私たちの仕事が今のまま、というわけにはいくまい。

「仕事をとってくる」ことばかり考えていても、その仕事自身がなくなってしまうのかもしれないね。
「仕事」という目に見える「作業」があって、それに対する「作業時間」でお金に変えていく
なんて効率の悪い商売を、これからどういうものに変えていけるのかね。