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IT系エンジニアの、日々の気づきや考えたこと。

相手を説得するために論理は存在するのです ~『外資系コンサルの資料作成術』を読んで~

プレゼン資料づくりの参考になるかな?、ということで、
『外資系コンサルの資料作成術』 という本を読んでみた。

元々、思考フレームワークというものにニガ手意識を持っているので
もうちょっとそういうのが使えるようにならんかなぁ~、という想いもアリ。

以下、心にとめておきたい、いいなと思ったところを引用。

  • 相手に伝えたいこと(主張)がどれほどユニークであるかということは、証拠の新鮮さ、あるいは証拠の組み合わせによる解釈の新鮮さにかかっているのです。
  • (...)達人は、資料のヘッダー部分に書かれているメッセージを読んでいます。(...)資料の主張の部分だけをつなげて読めば物語になっている、というのが理想です。
  • そもそも論理とは、思考の法則的なつながりのこと、物事の道筋のことです。自分の意見を相手と共有するために、相手を説得するために論理は存在するのです。
  • よく散見されるのは、証拠はたくさんそろっているのに、何がいいたいのかはっきりしない資料です。
  • 論理が破綻していると、残念ながら相手とのコミュニケーションが先に進みません。(...)相手を納得させることなどとても不可能です。
  • 論理はトレーニングによって身につけられます。ですから、「○○がある」(証拠)、「だから□□だ」(主張)、「なぜなら△△だからだ」(保証)を唱えて資料を作り続けてください。
  • 相手の状況に合わせて未完成のβ版を作り上げるという意識と、相手との対話によって資料を常にアップデートしていくという姿勢が大切なのです。
  • 資料作成はあくまでもビジネスを成功させるためのツールであるという認識があります。それゆえ、相手と十分議論しながら、資料の中身を少しずつ進化させていくことを重視するのです。
  • 彼(*)の主張は、アイデアは既存の要素の新しい組み合わせから生まれる、それ以外の何ものでもない、ということです。そして、既存の要素を新しい組み合わせに導く才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存しているといっています。
  • 多くの情報をインプットして、その蓄積を既存の要素として新たに組み合わせてみることで、新しいアイデアや強い説得力を持つ資料が生まれてくるのです。

    (*)『アイデアのつくり方』の著者、ジェームズ・ヤング

上記は主に後半部分からの引用だが、
前半は、論理のパターンとそれを表現するためのビジュアル(記法)を解説している。
ひとつひとつのビジュアルを、作例を用いて具体的に示し、記述内容・項目を丁寧に解説している。
さあ資料をつくろうというときに参考にしながら、の辞書的な使い方ができるだろう。
(上記、たくさん引用してごめんなさい。でも、この前半部分が本書の価値なのです!)

我々のふだんの仕事の中では、
UMLフローチャートなど、よく使うありきたりなフォーマットのもので事が足りてしまうものだが、
論理を表現するという観点で、この本に出てくるような描き方もぜひ使ってみたい、と思った。