少し時間が経ってしまったが、簡単に
『リファクタリング・ウェットウェア ~達人プログラマーの思考法と学習法~』のまとめをしておく。
以前ここにも書いたけれど、
「どういう段階を経ることで、ひとはスキルを身につけていくことができるのか」
ということの何かヒントがあれば、と思っていて読んでいたが、
本書は、個人(自分)の「独学のスタイル」を考えるための読みもののようである。
「学びの継続のためには」とか「集中するためには」とか、そういうことが書いてあるのだが、
アマゾンのレビューにも「ライフハック的」と書いてあったりして、確かにそのような書き方ではあるけども、
そっちがメインではなくて、それは参考というか一例であって、
「人間はこういう特性を持っているものだから、それに合ったいいやり方を、自分に合うやり方を見つけようね」
と言っている本なのだと思う。
以下、気になったところの一部をかいつまんで書いておく(本文、コラム、引用文がごっちゃだけど)。
- アイディアを記録し始めると、さらなるアイディアが得られます。
- 殺風景なパーティションに閉じ込められたプログラマーには、新しいニューロンが生まれることは絶対にありません。
- 創造性は、選択と組み合わせによってもたらされます。(...)そして、このときの選択―何をどのようなコンテキストで選択するか―は、「パターンマッチング」によってなされます。
- 「使わなければ失ってしまう」
- 「身体(からだ)をはって理解」
- つたない草稿を意図的につくる。完璧主義は(...)終生窮屈な思いをし、人生全体がつまらないものになってしまう。
- 一旦立ち止まってキーボートから離れるという作業を意識的に行う必要があるのです。他の人に話しかけたり、ホワイトボードや紙を使って誰かに説明したりするときには、(...)新しい抽象的なパターンを発見する可能性が高くなるわけです。
- 「比喩は、言語表現とイメージの双方にとって共通の場」、比喩を使うことは創造性を広げる強力なテクニック
- 「比喩的思考はプログラミングの基本だ。なぜなら比喩はすべての抽象的な思考に存在するものだから」
- 虚偽記憶 ― 記憶は読み出しのたびに書き込みが起こる
- 命名の誤り ― ものに名前を付けると、それが説明できたとか理解できたと思ってしまう
- 「めったに」は「けっして」ではない
- 「どんなに薄い墨でも最良の記憶力に優る」
- ほほえんで。
- 我々人間は何らかの点で皆まぬけだ
- 予想は現実に色を付ける
- 素材を探求すること、あるいはそれで「遊ぶこと」が、事実を記憶することよりも先でなければなりません。
- 「最初からうまくいく」ことが大切なのではなく、「最終的にうまくいった」が重要
- 気づく、ということが初心者の域を抜け出す重要な手段
- 「失敗が許される」範囲を規定する。単体テストは(...)失敗から学び、コードを修正して、先に進むのです。
- 「認知的過負荷」
- 二台目のモニタを買うだけで生産性は 20 - 30 % 向上します。
- 散歩に出かけてもよいでしょう。ただ歩くということ自体はコンテキストにかなり優しい行為です。
- 「人はビジネスのみにて生くるにあらず」です。何だろうが、音楽は欠かせません。
マインドマップに慣れてるひとはこれを見たほうがよくわかるのかも。
私としては、いまの環境でもっとも我慢できないのが、散歩できないこと。
自社にいるときは、仕事がうまくいかなくなったり、煮詰まったり、眠くなったり、あるいは昼食後、よく散歩していたし、
確かにそれでうまくリズムや集中をつくれていた実感がある。
会社ってたいへんだよね。