Some Days You Get the Bear

IT系エンジニアの、日々の気づきや考えたこと。

アジャイルと工数の話、あるいは開発の中の価値(仮題)

先日のアジャイルラジオの、
SIerAgile はできない」という話を聴きながら考えていたこと。

ラジオの中の結論としては、

 プロセスやプラクティスじゃなく、プロダクトオーナーがどこの人なのかが大事だ
 SIer に丸投げすんじゃなくて、ちゃんとお客さんがプロダクトオーナーをやらないと

ということだったと思う。

...が、私が気になった話題は、生産性とか工数とかのお話しだ。

(以下、SI というより受託開発というくくりで話を続ける)

「生産性」や「工数」や「機能数」というものが、
アジャイルが目指す「価値」とマッチしていない現状がある
、ということ。

「たくさんつくること」や、時間当たりの「ステップ数」が多いことが
「生産性」が高いという指標でもって判断・評価されてしまう、という話だ。

リファクタリングしてもステップ数は増えない、とか、
必要な機能を精査すると、機能数は多くならない、というのは、
冗談でも皮肉でもなくて、極めて全うな話である。

が、我々のビジネスでは、
ファンクションポイントであったり、ステップ数であったり
あるいはもっとざっくりと「工数」であったりの「規模」をベースに、そのままお金に換算される。

おそらくこれは、見た目にわかる「量」を指標にすることが、
開発側、顧客側の双方にわかりやすいものだからなのだと思う。
考えるのがラク、と言ってもいいのかもしれない。

量で評価しているうちは、本当の価値は提供できていないのかもしれないし、
また、(高い・安いの両方で)適切な対価を受け取っていないのかもしれない。
が、量以外の指標が「見つかっていない」のが、今の我々のビジネスの現状なのだと思った。

そうなると、何を以ってお客さんが「納得感」や「お得感」を感じるのか...。

品質やビジネス価値を工数に置き換え、それをきちんと説明できる術がなければ、
結局は「単価が安い」とか「早い」とかそういう話になってしまう。

「うちのコーラは1000円です!」と胸をはって言えて、それをよろこんで買って頂けるような
ビジネスがどこにあるのだろうか。そうなるために、私は何をすればいいのだろうか...。

自分たちの開発の中の価値にまずは気づかなければいけないのかもしれない。